「レコード芸術」誌において準特選盤CDに選ばれる

CD「キューバの魂」に寄せて
2014年8月末、海外での音楽祭を終え帰国したある暑い夏の日、
私は、レクオーナのCD制作のお話を頂きながらも、まだ一歩「表現の核心部分」が定まらない状態でいた。
レクオーナの曲に出会った時、身体中のありとあらゆる細胞が鳴り響くような運命を感じ
惹かれる音楽であったのは事実ではあるが、日本人である私がこの未知の世界「ラテン音楽」で表現することは何かとずっと考えていた。
その日もそんなことを思っていたふとした瞬間
アメリカで活動していたキューバ人のレクオーナも祖国キューバに帰りたかったであろう。
「アメリカとキューバの国交回復」レクオーナのその想いと祈りで弾く。
いつかこのCDが二つの国のどこかで聴かれたら…
その祈りが通じて平和に向かったら…
天から舞い降りてきたみたいにそんなことが次々と思い浮かんだ。
自分がピアノをやってきた意味、あらゆる点と点が線になって繋がった。
人生でも忘れ得ぬ一日であった。
今でもはっきりと覚えている。
空はどこまでも青く雲一つない~まるでそこは日本にいながら「ラテンアメリカ」だった。
その日、自分の中の気持ちが固まった。CDを作ってみよう!
レクオーナの音楽は、活動の場がニューヨークであったために洗練された作品ではあるが、その中に彼のアイデンティティであるキューバ独特のリズム感、メロディーが息づいている。
そのレクオーナの魅力を私の世界観で表した1枚である。

不思議なことにその3ヶ月後2014年12月17日アメリカとキューバの52年ぶりの国交回復が発表された。
勿論私のようなちっぽけなアーティストはそこに単なる偶然が重なっただけではあるけれど、
アメリカとキューバに音源を残したいという思いに駆られ、2017年両国にCDを持っていく事になりました。
私がそのような気持ちで作成したCDレクオーナ名曲集「キューバの魂」どうぞ皆様もお聴きください。
2017年9月27日
Latin Pianist
Tomoko Harayama